蓮田少子化担当大臣は、副大臣や政務官ら幹部を集めて会議を開いている途中、思わず泣き出した。

「ウッウッウッ、一体この私にどうしろと言うんだ!

桶川官房長官は先週『このままでは君は叙勲はないなあ〜。』と言っていたし、三階幹事長は、『このままでは君の選挙資金は減るだろうなあ〜。』と言ってる。

これはイジメだよ。私が少々頑張ったって日本中の子供なんかすぐ増える訳ないじゃん!』


「私達も過去様々な少子化対策を考えてきましたが、全く不甲斐なくて申し訳ありません。」

「ところで、蓮田大臣、実は一人面白い提案を持っている銀座のクラブのママがいるんですが。」


「ウッウッウッ! エッ?エッ? オッ!それは誰だね?何が面白いのかね?」


「少子化対策について、意見をお持ちのママで、、、

実は前々からその銀座のママさんとはコンタクトを取って何度かヒアリングしていまして、、、」


「何を言ってるんだね!君は。コンタクトにヒアリングって? ただクラブに通ってママと飲んでるだけのくせに!

それにどうせ子作りのやり方とかエッチな話だろ?君!何が少子化対策の意見だよ。まったく!」


「さすが!大臣はお目が高い!」

「君、その言い回し、ここで使うか?なんか変だろ、それ。だからさ、西大卒は詰め込み勉強って言われるんだよ。実践してない国語はだめなんだよ。

もう、いい、一度そのママさんに会わせてくれよ。
ところでそのママさん、いくつ?美人?^ ^」


「まったくどすけべですね、大臣!」

「その言い回しおかしいよ!失礼じゃないか?君!もう!」


かくして、蓮田大臣はお忍びで銀座のクラブ『レッドゾーン』に足を運んだ。


「ふ〜ん、あんまりいい名前じゃないなあ、ここ。なんか悪いことが起きそうだな~。ところでママさん、何か少子化対策にいいアイデアをお持ちとのことのようだが、聞かせていただけませんか?


ただし、お話の前に恐縮ですが、これに実印押してください。では読み上げてくれ、副大臣。」


「はい!えーと、、、

『内緒の念書、ここで聞いたことが例え国政に取り上げられたとしても、ビタ一文お金を要求致しません。また、私、レッドゾーンのママ、美月艶子のアイデアではなく、蓮田少子化担当大臣のアイデアと言うことに身体から喜んで同意します。』


「おい!君、なんか文章おかしくないか!?君も西大卒?やっぱりなあ。まったく、まあいいよ。だいたい意味は通じるから。」


「あら、大臣先生、もし取り上げていただいたらこの文章にプラスして私の心も身体も喜んで大臣先生に差し上げますわ!オホホのホッ!」


「え〜!いや、あの、そうですか!じゃ採用しようかな!」

「大臣、まだ何も聞いてないですよ。まったく、どすけべですねー!」

「わざとだよ!喜んでもらおう思ってるんじゃないか。横から余計なこと言うんじゃないよ、君。僕の話のスタイルってものがあるんだからさ。」


「大臣先生、そのアイデアなんですけど、私が長年このクラブのホステスとして立派な紳士のお客様とのお話しの中で気がついたことなんですのよ。

それは3つありまして、、、


一つは、不倫はやはり文化と言うことに格上げしたらどうかと言うことなんです。

銀座のクラブに来るお方で不倫してない人は聞いたことないですから。」

「なるほど!なるほどですね!」

「副大臣、いちいち合槌打たなくていいから、君。僕が聞いてるんだから」


「二つ目は、いっそのこと、一夫多妻制にしたらどうでしょうか?

やっぱりモテる男とモテない男っているんですよ。
モテる男はみーんな結婚してて、モテない男だけ、結婚したがってて。」


「なるほど!なるほどですね!!」

「うるさいな、君!黙ってなさい、君!」


「三つ目は、不倫がバレたり、子供を生ませたり、いろいろと揉め事があると、女性に慰謝料払いますでしょう?それが怖くて男は尻込みしちゃいますから、そうした揉め事の慰謝料は国の税金で賄っていただき、もっと恋愛を気軽にしてもらったらと思いますのよ。ホッホッホッのホ!」


「なるほど!なるほどですね!素晴らしいアイデアですね!」

「君、黙ってられんのかね、君!僕がコメントするんだから。

オッホン!なるほど、その三つは確かにかなり偏りはありますが、少子化対策はともすると真面目なことばかり考えていましたから、大いに参考になりますなあ。ワッハッハ!

ところでウイスキーおかわりお願いします。」

「あらやだ!大臣先生のお手手がわたくしの可愛いお尻のところに!」


「あれ!?いや〜私としたことが、いつのまにか!

しかし、昔から『桃膝三年尻八年』と言いますからなあ。アッハッハ!」


「大臣、それ、『桃栗三年柿八年』の間違いじゃないですか?バカだなあ〜!」

「黙れ若造!まったくものを知らないとはこのことだよ、君。だから西大卒はダメだって言うんだよ!無粋者!」



「大臣先生はさすがですわ〜!教養もお有りだし、男っぷりも素敵ですし、お鼻も大きくて、わたくしなんか想像して惚れちゃいます〜!」




かくして、蓮田少子化担当大臣は、毎晩クラブ『レッドゾーン』に通い詰めたあげく、クラブのママだけでなく、ホステスと二股野郎になり、週刊サタデーにすっぱ抜かれて、妻からは離婚を言い渡され、ママとホステスと元妻に多額の慰謝料を払うはめになった。



もちろん、叙勲の話は消え去り、選挙も落選し、今は故郷の老人介護施設にアルバイトで勤めて、そこのパートさんと三つ股野郎になっているとのことである。


「えっ?あの3つのアイデアはどうしたかって? 君、そんな不謹慎、不道徳、不誠実なことが通るわけないだろ!だから西大卒は甘いって言われるんだよ!君。」

「あのー!なんか二股とか三股とか、、、って話を聞きましたが、、」

「知らん!知らん!帰れ!帰れ!俺は下野しても少子化対策に協力するつもりなんだ!文句あっか?」





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槙島源太郎

作家兼発行人

年齢、住所不詳。謎に包まれる遅咲きのユーモア小説作家、槙島源太郎が贈る笑いの数々。

彼は中高生の頃に自身のユーモアセンスに気づく。大学時代もショートコントなどを書いていたが、進路は真面目なメーカー勤務を選ぶ。

ビジネス作家として数冊の本を出版した後、眠っていたユーモア感覚が目覚めて創作活動を開始。

現在まあまあ週に一度のリリースを目指して書き続けている。

夢は世界を笑いに包み、平和を取り戻す脚本家兼映画監督。