2020年から21年にかけてのコロナウィルスの猛威が一旦ワクチンで治まったかに見えた。

しかしその後2022年春、アフリカで強毒性、高感染性の変異ウィルスが拡大し、日本国は水際対策の強化を求められた。


時の総理、靴墨敏郎の動きは早かった。

「水際対策の現場を視察する!

禿田厚労相、すぐにボートを用意しろ!

どの辺がいいかな?

やっぱり浦賀あたりの浜辺かな?」

「総理、、、それほんとの海辺の水際と間違えてませんか?」


「ば、ばかもの!そ、そんなこと知ってるよ。君を試してみたんだよ^ ^」


「嘘ですね。

この前も桜の開花前線を見たいと言って、どこに線があるんだ?と言ってたでしょう!

だいたいそんなことしてる暇ないでしょう!」




総理は専門家会議の砂糖戸塩議長の進言を受けてワクチン外交も視野に入れてすぐにウィルスのサンプルを採取し、武桁薬品と塩野義理製薬にワクチン開発を行なわせた。


「全国民に1か月以内にワクチンを供給せよ!」

靴墨総理は禿田厚労相に檄を飛ばした。

「総理、1か月以内は無理です!

注射する医師や看護師、医学生などを動員しても残念ながら二か月はかかります、、、!」

「ばかもの!

あのね、そんな悠長なこと言ってられないんだよ。

とにかく、なんとしても一月でワクチン接種をしないと政権が持たないよ!

なんとか注射できる人材を集めるんだ!注射できる奴なんていくらでもいるだろう!」


禿田厚労相は、あらゆるルートでワクチン注射可能な人を集めるべく、四方八方に指示したが、やはりあと1000人ほど、特に大都市圏で不足していた。

禿田厚労相は、靴墨総理の「注射できるなら誰でもいい」との言質を取った上で、司守法務大臣とあるアイデアを密談していた。

それは驚くべきアイデアでの注射人材の募集だった。

「司法務大臣!そこをなんとかして欲しい!

これは国民全体を救うためなんだ!

もし、この変異ウィルスが蔓延したら日本は国民の10人一人くらいが死ぬかもしれないんだ!

なんとか総理の要望通り、1か月でワクチン接種を済ませるためなんだ!

理解してくれよ!」


そのアイデアとは、注射経験のある元麻薬や覚醒剤の経験者を動員すると言うアイデアだった。

「確かに注射経験はあるけど、いいのかなぁ〜!

しかもせっかく薬(やく)を絶ってるのに、注射なんかして思い出すんじゃないかなぁ〜。」

「思い出したっていいじゃないか!

死ぬわけでもないし。

とにかく緊急事態なんだから頼む!」


かくして総理の了解を取って過去の薬(やく)の常習者が1000人集められ、ワクチン注射部隊が結成された。

そして見事にひと月でワクチンを全国民に注射した。

薬(やく)の過去の常習者は、その後不思議と悪い噂は聞かなかった。

禿田厚労相は、靴墨総理に経過報告をした。

「総理、元常習者は、『薬(やく)絶ったら役立った』と言っているようです。





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槙島源太郎

作家兼発行人

年齢、住所不詳。謎に包まれるユーモア小説作家、槙島源太郎が贈る笑いの数々。

ビジネス書の作家としても活躍中。

現在まあまあ週に一度のリリースを目指して書き続けている。

夢は世界を笑いに包み、平和を取り戻す脚本家兼映画監督。